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月の石

月と星 2026.09.12

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こんにちは。星空案内人の木原です。
9月に入り、夜には秋の気配も感じられるようになった頃。街中では、お月見団子とすすきを飾ってお月見をする様子を描いたイラストやモチーフが目立つようになってきました。
月は、はるか昔から私たちにとって身近な天体でした。信仰や文化、暮らしを営むための暦など、深い関わりを今でも持ち続けている関係です。

では「月」とはどういった場所なのでしょうか。
実際に人間が月を訪れることができたのは今から約60年前の1969年。アメリカの月探査船アポロ11号の船長であったニール・アームストロングが人類で初めて月に着陸しました。その後も月探査は続けられ、アポロ12号が1969年に採取した月の石は、1970年の大阪万博で公開されました。昨年開催された大阪・関西万博でも、アポロ17号が1972年に採取した月の石が公開されました。もしかしたら、このコラムを読んでいる皆さんの中にもアメリカ館で展示されていた月の石を見た人もいらっしゃるのではないでしょうか。

月の石といっても、一見、地球にある石と大きな違いは見られません。成分を見てみても地球の地殻とほぼ同じ元素が多く含まれています。
所説はありますが、月の誕生の起源と考えられているジャイアントインパクト説では、できたばかりの地球に別の天体が衝突し、散らばったかけらが集まって固まったものが月になったと考えられています。
それをふまえると、月と地球は兄弟のようなもの。成分も同じになるのは納得です。

では、地球の石と月の石で一番の違いはなんでしょうか。その答えのヒントとなるのは、地球と違って月には大気がないことです。
地球には、大気や水があり、それらが循環することで風が吹き、雨が降ります。その積み重ねで地上の岩石は風化・浸食されていきます。一方で、月には大気がありません。風は吹かず、降雨もありません。その結果、約45億年前に地球や月が誕生したときのままの状態で月の石は存在していると考えられています。

つまり、月の石を持ち帰って分析調査をすることは、月だけでなく地球の誕生について、さらには太陽系の成り立ちや起源を知ることにつながります。手のひらにのるばかりの小さな塊にも宇宙の神秘が詰まっているのです。

宇宙を知るには、まず足元に目を向けることも大切です。私たちが立っている大地も、宇宙に浮かぶ天体の一部。子どもの頃に何気なく蹴った石も、月や太陽系の歴史とどこかでつながっているのかもしれません。

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木原美智子

星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。

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