こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「紅花栄(べにばなさかう)」についてのお話です。
七十二候は約5日ごとに訪れる短い季節で、意識していないと知らない間に終わってしまう、小さな小さな季節です。
私は9年前にカレンダーを作る会社に入社し、はじめて七十二候という季節の存在を知りました。漢字ばかりの名前を見て、最初は難しそうであまり積極的に覚える気にはなりませんでした。でも今では、暦生活を通してこの繊細な季節に触れ、知ることができてよかったと心から思います。
七十二候を知ることで、季節とともに流れる日々の時間が、ちょっぴり豊かなものになったと感じています。
私はこの暦生活を通して、難しいと思われがちな暦の魅力を、「実はそうでもないんだよ」というメッセージを添えて、毎日お届けしていきたいなと思っています。
そして、お届けしたその情報が、暮らしの中で体験と結びついて、小さな感動をたくさん生み出していけるきっかけになれば、とても嬉しいです。
…さて、前置きが長くなってしまいましたが、七十二候は「紅花栄(べにばなさかう)」を迎えました。化粧の紅としても利用されるベニバナが一面に咲く頃。夏のはじめに、鮮やかなオレンジ色の美しい花を見せてくれます。
ベニバナの花はチアリーダーが使用するポンポンの形に似ており、咲き進むにつれて黄色→オレンジ→紅色へと変化していきます。葉にはトゲがあり、朝露でまだトゲが柔らかい早朝のうちに花弁を収穫するそうです。
ベニバナは、古代エジプトの時代から染料として使用されてきました。ミイラを包む布を、ベニバナの花からとりだした色素で染めていたのだとか。
日本では奈良時代から栽培され、最初は「呉藍(くれのあい)」と呼ばれていました。中国の呉の国から来た藍色という意味で、”くれのあい”が転じて”くれない”になり、紅花(ベニバナ)と呼ばれるようになったようです。
日本では、紅・赤色をアカネの根からとった染料で染めていましたが、ベニバナからとれる紅の染料も、貴重なものとして大切にされるようになりました。とくに身分の高い人の服を染めるための染料や、宮廷に仕える女性の化粧紅として使われたそうです。
花からは染料が、種からは紅花油(サフラワーオイル)が、花を乾燥させると漢方薬ができ、かつては日本でも盛んに栽培されていましたが、輸入された安価なベニバナや、化学染料にとってかわられ、今ではわずかな数しか栽培されていません。
古代エジプトからやってきたベニバナ。なんだか歴史の1ページを紐解いているような感覚でワクワクしました。七十二候に名を残すのは、どんな植物や生き物なんだろう?私たちも一緒に学びながら、これからもこの繊細な季節についてお届けしていきたいと思います。
※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
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