◎春分 3月20日~4月4日
桜湯 桜餅 桜きんとん 桜の練り切り 桜ごはん 桜にぎり
桜尽くし
春分、暦の上では春のちょうど真ん中の日。春分は秋分と同じく、昼と夜の時間が同じ長さです。この日を境にこれからは、昼間の時間が長くなっていきます。小さな野の草も、緑の芽を伸ばし始めているでしょう。三寒四温で気温の上下が激しい日々でしたが、春彼岸のころからは本格的な春の陽気になってきます。
桜前線も日本列島を北上して、各地から開花の知らせが届くころ。お菓子屋さんの店先で桜餅を見つけたら、すぐに買って帰ります。薄皮の桜餅、道明寺の桜餅。甘い香りの桜の葉で、春がギュッと包まれているよう。
お菓子屋さんには桜餅のほかにも、桜をモチーフにした上生菓子が並んでいます。桜の花の形の練り切りに、薄紅色の桜きんとん。さて、今日はどれを選びましょうか。帰ったらさっそくお茶を入れて、春気分を満喫します。
年度替わりが近いこの時期は、お祝い事が多いはず。小さな慶びの席にも、桜湯の香煎で、おめでとうの気持ちを伝えたい。塩漬けの八重桜の花が、汲み出し茶碗の中でふんわりと広がります。小さく艶やかで、馥郁たる香り。
桜の花の塩漬けは、ごはんに混ぜて春らしい色合いと香りづけに使えます。またおにぎりにしても香りが抜群。桜の塩漬け、いつでも桜の季節を味わえるので、常備しておくと便利なものです。とはいえ、花の季節に味わうのがいちばんですね。
文・イラスト 平野恵理子
平野恵理子 短冊展「山のワタスの七十二候」
自然の直撃を受けながら山暮らしをして、この秋で九年目になります。
日々変わりゆく季節を五日ごとの七十二候に合わせて、七十二点の短作品にしました。
2026年3月16日(月)~28日(土)
正午~夜7時まで 最終日は午後5時まで 日曜休廊(3/22)
スペース・ユイにて
<作家在廊日>
20日(金・祝)、21日 (土)、24日(火)、
26日(木)、27日(金)、28日(土)は、在廊しております(平野)

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
