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蕗の薹ふきのとう

旬のもの 2026.02.16

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今日のお話は、春を告げる山菜
「蕗の薹」です。

日本原産の山菜で、暖かくなると土の中から新しい芽が出ます。花が咲くと苦味が強くなるため、若い蕾を採って食べます。蕗の薹は、キク科です。蕗の独特の香りとほろ苦さは、同じキク科の食用菊や春菊の風味と通じるものを感じさせてくれます。

花が咲いた後、地下茎から別々に葉が生えて成長した葉柄は「ふき」になります。秋になると地上の葉は枯れ休眠期に入り、地下茎のみになり冬を越します。
多年草ですので、冬から春へと季節の移ろいとともに再び新しい芽が出ます。
毎年蕗の薹を採るのを楽しみにされている方もいらっしゃるかと思います。

私が蕗の薹を知ったのは、子供の頃に北海道のチョコレートの包装紙に描かれていた絵を見た時でした。中心部のモコモコした丸い形が印象的で、いつか生の蕗の薹を見てみたいと思いました。まさか大人になり蕗の薹を扱う仕事をすることになるとは夢にも思いませんでした。

働いていた市場の仲卸では、冬から春まで、主に新潟県など東北の産地から蕗の薹を入荷していました。淡い黄緑色の衣を羽織った、丸みをおびた愛らしい形から、春の暖かさを感じて、元気をもらうような気がしました。
流通している蕗の薹は、春から秋にかけて畑で育てた株を収穫し、冬の間は雪中貯蔵します。出荷時期に合わせて、株をハウスやビニールで覆われたトンネルに移して加温しながら2週間ほど栽培して芽吹いた蕗の薹を収穫します。山形県では天然物から採ってきたものから栽培したり、栃木県では露地栽培で作ったりしている産地もあります。水、空気、土など自然の恵みと人の手により育てられた蕗の薹は、飲食店で使われ、スーパーなどのお店に並びます。少し華やかな価格ですが、手に入りやすくなりました。ぜひ家で春の味覚を楽しんでください。

ふき天あぶら味噌 写真提供:川口屋薫

茹でた蕗の薹を、味噌とみりんや砂糖で練り合わせた「蕗味噌」は、ごはんのお供やお酒の肴にぴったりです。
暦生活の読み物「蕗味噌」で紹介されている「ふき天あぶらみそ」を作ってみました。ひと味工夫されていて簡単に出来ますので、おすすめです。

蕗の薹の天ぷらもよく作ります。蕗の薹だけなら、卵焼き器に油を入れて揚げます。蕗の薹の風味と食感がたまりません。そのままいただくのも良いですが、蕗の薹の天ぷらを、普段の料理に合わせると春を演出してくれます。

蕗の薹の天ぷらとお好み焼き 写真提供:川口屋薫

例えば、天かすの代わりに温かいうどんや蕎麦にのせてみてください。お好み焼きと一緒に食べると、キャベツの甘みと蕗の薹のほろ苦さの味わいがよく合いました。濃厚なソースの味とケンカしないので、蕗の薹は色々な食材や調味料と仲良くできると思います。
今日は、茹でた蕗の薹を使って簡単にできるスイーツです。雪解けの後に土の中から顔をだす蕗の薹をイメージしました。よかったら作ってみてください。

蕗の薹とクリームチーズのクッキー

写真提供:川口屋薫

材料
•茹でた蕗の薹 1個分
•クリームチーズ 大さじ1
•蜂蜜 小さじ1
•オレオ 5個

作り方
①茹でた蕗の薹を刻みます。トッピング用に少し分けます。
②①にクリームチーズと蜂蜜を混ぜ合わせます。
③オレオのクッキーを半分砕きます。
クリームがたくさん付いているクッキーはそのまま使います。
④クリームが付いているオレオの上に、②をのせて上から砕いたオレオをかけます。上に刻んだ蕗の薹をトッピングしたら完成です。

☆ポイント
蕗の薹を茹でる時は、アク抜きをします。軽く水洗いしたあと、下の部分を切り落とします。刻んですぐに水にさらします(10分)さっと塩茹でた後、再び水にさらします(20分)キッチンペーパーなどでよく水気を絞ってから使います。
余った刻んだ蕗の薹は、グラタンや味噌汁などに入れてください。

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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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