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梅ヶ枝餅うめがえもち

旬のもの 2026.02.24

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こんにちは。和菓子文化研究家のせせなおこです。

立春が過ぎ、暦の上では春がやってきました。2月になると梅が見頃を迎え、梅の花が好きな私にとって、嬉しい季節がやってきます。今では花見といえばすっかり桜が一般的となってしまいましたが、元々は中国からやってきた梅の花を見ていたことに由来します。旧暦二月には「梅見月」という異名もあるほどです。

日本三大天神の一つとされる福岡の太宰府天満宮には飛梅(とびうめ)という梅の木があります。この飛梅には太宰府天満宮に祀られている菅原道真を慕い、京都から飛んできたという伝説があります。小さい頃から梅が好きだった菅原道真は無罪の罪で太宰府に左遷される際、家にあった梅の木に語りかけたのだそう。

東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ

この時期になると、和菓子屋さんには梅の形のお菓子が並び、この歌をモチーフにした「東風」という名前がつく、梅をモチーフにしたお菓子も見られるので、和菓子屋さんに行かれた際はぜひ気にしてみてください。

写真提供:せせなおこ
写真提供:せせなおこ

さらに、太宰府天満宮には梅ヶ枝餅という名物餅があります。このお餅にも菅原道真にまつわるエピソードが残されています。

太宰府に左遷された菅原道真は罪人同様の生活を強いられ、まともな食事も与えられませんでした。それをみた老婆が菅原道真に梅の枝にお餅をつけて渡したことにちなみ、梅ヶ枝餅が作られるようになりました。

写真提供:せせなおこ

梅ヶ枝餅には梅は入っておらず、外側はもち米とうるち米の粉がブレンドされた、サクッとそしてもっちりとした生地の中につぶあんが入っています。

小さい頃、我が家ではお正月に早起きをして太宰府天満宮にいくのが毎年の恒例行事でした。私はお参りの後に食べられる梅ヶ枝餅が何よりの楽しみで、寒くても眠くても、お正月をとても楽しみにしていた気がします。当時はバラ売りがない時代。5個入り、または10個入りのお土産用に包まれたお餅を車の中で食べていました。透明のフィルムに包まれたお餅は水蒸気で少しふにゃっとしていて、「焼きたてのパリパリが食べられたらどんなにおいしいのだろう…!」と心の中で思っていました。

それから数年後、飛梅を見に太宰府天満宮に行くと、梅ヶ枝餅は食べ歩き用にバラでの購入が可能になり、焼きたてがその場で食べられるスタイルに変わっていました。ついに願いが通じた!!と心の中でガッツポーズをしたのを覚えています。

写真提供:せせなおこ

実は梅ヶ枝餅には特別な梅ヶ枝餅というのも存在します。毎月25日の天神様の日にだけ登場するよもぎの梅ヶ枝餅です。菅原道真が実在していた時代から1000年の時を超え、今もなおこうして地元の人たちから愛されているのだなぁと、おいしいお菓子を通じて、温かい気持ちになりました。

写真提供:せせなおこ
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せせなおこ

和菓子文化研究家
福岡県出身。あんこが大好きな和菓子女子。和菓子を好きになったきっかけはおばあちゃんとつくったおはぎ。ぽかぽか暖かい春が好きです。おいしい和菓子を求めて全国を旅しています。

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せせ日和