今日のお話は「ホースラディッシュ」です。
Horseradishは英語で、Horseには「馬」という意味の他に、「力強い、大きい、強烈な」などの強調の意味があります。ので、見た目の野生的な太い根と、強烈な辛味を表しています。
ホースラディッシュは、東ヨーロッパ原産のアブラナ科の多年草で、根をすりおろして食べます。主にローストビーフなどの肉料理の付け合わせやソースにして使われる香味野菜です。
味は日本原産のわさびと似ています。どちらにもアリルイソチオシアネートという、ツンと鼻に抜ける辛味成分があるためです。ホースラディシュの方が辛味が強く持続することに加えて、価格が安いことから、粉わさびや練りわさびの加工品にも使われています。
ホースラディッシュとわさびの違いは、原産地以外にもいくつかあります。ホースラディッシュは畑などの土壌で育つ作物として、比較的栽培しやすいとされていますが、わさびは清流や湧き水などのある綺麗な水場で水質・水温管理に細心の管理が必要で、栽培は難しいです。
食用部分の違いでは、ホースラディッシュは主に根のみですが、わさびは葉わさびや花わさびといった、葉、茎、花芽も食べられます。
ホースラディッシュは、明治頃にアメリカから日本に伝わったとされ、和名は「西洋わさび」や「わさび大根」です。一大産地の北海道では「山わさび」と呼ばれていて、すりおろしたものを、ごはんにのせたり、醤油漬けにしたり、イカの刺身やお寿司などの料理に使います。降雪前の秋頃に収穫され、貯蔵しながら出荷されています。
また雪が溶け始める頃になると、地中で越冬した山わさびが掘り出されます。冬の寒さに当たり、養分を蓄えた堀りたての山わさびは、香りや辛味が強く、風味が良いとされ、北海道では春の味覚としても親しまれています。
私が働いていた市場では、フランス語の「レフォール」からきた「レホール」が通称でした。北海道産は土付きで立派な大きさがあり、オーストリア産も扱っていた時期もありました。
生のホースラディッシュは、北海道から取り寄せることができます。また、デパ地下の野菜売り場などで並ぶことがあります。
硬さがあるので、すりおろすときに少し力がいりますが、ほんのりシャキシャキ感があり、ストレートにくる強い辛味が刺激的な味わいです。
時間が経つと変色するので、すりおろすのは食べる直前にしてください。
ステーキ、ハンバーグ、焼き鳥などに添えるといいアクセントになります。
今日のレシピは、オーストリア、ドイツ、両国の国境に近いイタリア地域などで、茹でた肉料理に添えるホースラディッシュの代表的なソース「クレンソース」を作りやすくしたレシピです。
「クレン」はドイツ語圏でホースラディッシュの呼び名です。
よかったら作ってみてください。
爽やかクレンソース
材料
•すりおろしたホースラディッシュ 5g(大さじ1)
•オリーブオイル 大さじ2
•パン粉 大さじ1
•酢 大さじ1/2
•砂糖 小さじ1
•塩 ひとつまみ
•レモンの絞り汁 大さじ2
作り方
①ホースラディッシュ以外の材料をよく混ぜあわせます。
②最後にすりおろしたホースラディッシュを加えて、軽く混ぜ合わせたら完成です。
☆ポイント
魚介のカルパッチョ、魚のフライ、スモークサーモン、サラダ、サンドイッチなどに合います。
酢を白ワインビネガーやりんご酢にすると本場のソースの味わいに近づきます。
濃厚クレンソース
材料
•すりおろしたホースラディッシュ 5g(大さじ1)
•生クリーム 大さじ2
•パン粉 大さじ1
•砂糖 小さじ1
•塩 ひとつまみ
•レモンの絞り汁 大さじ2
作り方
①ホースラディッシュ以外の材料をよく混ぜあわせます。
②最後にすりおろしたホースラディッシュを加えて、軽く混ぜ合わせたら完成です。
☆ポイント
ステーキ、ローストビーフ、茹でた肉料理、サラダ、サンドイッチ、ポテトフライに合います。
ホースラディッシュは辛味を残すために、最後に加えてください。
温かいソースとしても作れますが、加熱しすぎると辛味が飛んでしまうので、火を止めてからホースラディッシュを入れてください。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
