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コシアブラ

旬のもの 2026.05.18

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今日のお話は「コシアブラ」です。
タラの芽は、「山菜の王様」と呼ばれていますが、コシアブラは、「山菜の女王」と呼ばれています。

写真提供:川口屋薫

コシアブラの持つ、気品ある香りと味。
山菜ならではのほろ苦さの中に、どこか甘く上品な香りがあります。
例えると、タラの芽は春の息吹きのような活気のある風味、コシアブラは、春のそよ風を食べているような軽やかさがあります。

コシアブラの木は落葉高木で、採るのが難しく、枝をしなるようにして、若い芽を摘むこともあります。
しかも、芽吹きの時期が短く、採り頃を逃すと、育ちすぎて固くなってしまいます。だからこそ、味わえるのは、ほんの数週間ほどです。
その儚い旬が、特別な存在に感じさせます。

4月から5月にかけて、道の駅や直売所に並びます。
ぜひ、「山菜の女王」に出会えた時は、その一瞬を逃さず、手に取ってみてください。
私が働いていた市場では、冬頃に栽培ものが入荷していました。
淡い緑としなやかな細さ。気品と優しさを感じました。

栽培ものは、他の山菜よりも入荷量は少く、スーパーなど一般的なお店でみかけることはほとんどありません。百貨店の野菜売り場で、ふと見かけると、市場の上司に教えてもらった名前の由来を思い出します。
それによると一説には、昔、木から採油したものを「漉して油にした」ことにちなみ名付けられたのだとか。
漉した油は、塗料として使われていたそうです。

写真提供:川口屋薫

コシアブラは天ぷらにすると、香りとほろ苦さが引き立ちます。
旬の桜えびと合わせると、春らしい一皿に。

衣は卵を入れても良いのですが、卵無しの方が、より山菜の風味を味わえます。または、市販の天ぷら粉も、サクサクとした天ぷらに仕上がりますので、おすすめです。
今日のレシピは、天ぷらと白ごはんに合う醤油漬けです。

写真提供:川口屋薫

春の終わりに、そっと届くような山菜です。
よかったら作ってみてください。

コシアブラの天ぷら

写真提供:川口屋薫

材料
•コシアブラ お好みの量
•揚げ油 適量


•薄力粉 100g
•冷水 170g

作り方
①コシアブラの下端の袴を取ります(やわらかそうであれば、取らなくても良いです)。
②コシアブラを軽く水洗いした後、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。
③衣を作ります。冷水の中に、ふるいにかけた薄力粉を入れて、箸で縦に切るように混ぜます(少しダマになるくらい。混ぜすぎないように)。
④170℃の油で、45秒から1分ほど揚げたら完成です。

コシアブラの醤油漬け

写真提供:川口屋薫

材料
•コシアブラ お好みの量

  合わせ調味料液
•醤油 大さじ1
•みりん 大さじ1
•酒 大さじ1
•水 大さじ1
•砂糖 小さじ1 

  作り方
①塩をひとつまみ入れたお湯で、コシアブラをさっと10秒ほど茹でます。
②コシアブラを水にさらして、水気をきり、4等分に切ります。
③鍋に合わせ調味料液の材料を入れて沸騰させた後、コシアブラを入れたら完成です。
冷蔵庫で保存してください。
液にコシアブラの香りがほのかに感じます。卵焼きにかけたり、おひたしの調味料にしたりして、お使いください。

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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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