書籍「源氏物語 五十四帖の色」
源氏物語の五十四帖をめぐる色の本
平安時代中期、紫式部によって書かれた『源氏物語(げんじものがたり)』は、主人公の光源氏を通して平安時代の貴族社会を描いた五十四帖からなる物語です。
その中で登場する襲(かさね)の色目を完全再現し、一冊の辞典としてまとめられたものが2008年初版の『源氏物語の色辞典』(著:染司よしおか五代目 吉岡幸雄氏)。その新装再編集版として生まれたのが本書です。

源氏物語に登場する人々の装いや暮らしの風景の彩りが、当時使われていた材料や技法を用いて忠実に再現されています。

写真をメインにまとめられ、パラパラとめくるだけでも平安時代の美しい色彩に触れることのできる一冊に仕上がっています。さらに全編に英語訳が入り、海外の方はもちろん、より多くの方に楽しんでいただける仕様になっています。


巻末には、襲の色目を季節ごとにまとめたページや、染料についての解説を掲載したページも収録。


ページを開いた時の色の美しさだけでなく、どのように作られた色なのか、人々はどんなふうにその色を楽しんでいたのか、ストーリーからもお楽しみいただけます。
ページをめくりながら、当時の暮らしに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」とあわせてお読みいただくのもおすすめです。
吉岡更紗さんについて
染織家・染司よしおか6代目
京都市生まれ、京都市在住。紫根、紅花、藍などすべて自然界に存在する染料で古法に倣い染織を行う「染司よしおか」の6代目。東大寺二月堂修二会や薬師寺花会式など古社寺の行事に染和紙を納める仕事もしているため、冬から春にかけてが一番好きな季節。美しい日本の色を生み出すために、日々研鑽を積む。
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- 著者
- 吉岡更紗
- 原著
- 吉岡幸雄
- 出版社
- 紫紅社
- ページ数
- 272ページ