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二十四節気の味わい暦|芒種ぼうしゅ

二十四節気と七十二候 2026.06.06

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◎芒種 6月6~20日 

〈外郎(ういろう) 琥珀糖(こはくとう) 錦玉糖(きんぎょくとう) 葛切り 葛焼き 水羊羹〉

嘉祥(かじょう)菓子

6月に入って、梅雨前線が日本列島に近づいています。南から順に梅雨入りしていくこの季節。芒種はその梅雨入り直前の節気です。かつてはこのころがちょうど田植えを始める時期でした。芒種とは、稲や麦など芒(のぎ)のある穀物を植え付けるという意味があります。

さて江戸時代、この芒種の最中に「嘉祥の儀」なる行事が江戸城で催されていました。何百畳敷もの大広間に大名旗本が集まり、将軍から直接お菓子を賜ったのだとか。これは、お菓子を食べて厄除招福を願う行事でした。お大名さんらの日頃の労をねぎらうのも目的だったでしょうか。

嘉祥の儀が6月16日だったことから、今はこの日が「和菓子の日」となっています。ちょうど夏の和菓子がお菓子屋さんの店先を彩るころ。お店によっては嘉祥の儀にちなんだお菓子を売り出すので、これまた例年の楽しみです。

夏のお菓子は、やわらかく冷んやりしているところが魅力。水羊羹に外郎、錦玉糖。見た目も涼やかなものが多く、五感で味わえます。いっぽう、和菓子の代表選手である餅菓子やお団子、湿粉製のしっかりしたお菓子もやはりいただきたい。どちらにしても、この日は和菓子のおいしさ、美しさを再確認できるいい機会になりそうです。

一時期、和菓子づくりのお教室に通ったことがありました。黄味時雨に利久饅頭、花びら餅もつくることができ、お教室の日は毎回心浮き立つ思いでした。あのころを思い出して、この夏はまた和菓子づくりに励みたい気分です。まずは水羊羹からかな。

文・イラスト 平野恵理子

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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