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4月のいろ #にっぽんのいろ

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日本の自然や文化から生まれた美しい伝統色。周りを見渡せば、いろいろな場所に日本の色を見つけることができます。このページでは、Twitterで毎日配信している「にっぽんのいろ」を、月ごとにまとめました。心落ち着く色や、元気が出る色、優しい色、自分に似合う色。ぜひお気に入りの「にっぽんのいろ」を見つけてみてください。

退紅(あらぞめ/たいこう)
極めて淡い紅色は、紅花染が色褪せたような色合いです。色名は「褪(さ)めた紅」という意味ですが、ここで使われている「褪」は色のトーンを表しているとされています。あえて褪せた色を基調にするなんて斬新な伝統色ですね。

黄丹(おうに)
中国から伝わった色で、紅花とクチナシを掛け合わせて染めています。非常に鮮やかな発色が特徴的で、赤みを帯びた橙には、春の陽光のような温かみがあります。皇太子の袍(ほう)の色で禁色(きんじき)の一つとされています。

灰桜(はいざくら)
桜色に灰色が混ざったような静かに華やぐ色合いです。鼠色の落ち着いた雰囲気ながらも、くすんだ感じの暗さはなく、明るく華やかな印象が特徴的です。霞に紛れる桜のような、上品さと奥ゆかしさを兼ね備えた色が美しいですね。

本紫(ほんむらさき)
紫根(しこん)染の手法で染めた紫を指します。紫の染色は手間もかかり非常に高価なものだったそうです。江戸時代には紫根染の紫が一般庶民に禁じられ、茜や蘇芳などの代用品で染めた「似紫(にせむらさき)」が流行しました。

紅絹(もみ)
鮮やかな紅色で、やや黄色がかった色調です。鬱金(うこん)やクチナシで黄色く染めた後、紅花で染めることで独特の色みが誕生しました。色名の「もみ」は、紅花を包んだ袋を揉むことで色を出したことに由来するそうです。

乙女色(おとめいろ)
愛らしくも芯の強さを兼ね備えた薄いピンク色が、古くから人々に愛されてきました。八重咲きの花を咲かせ、豊満な花弁が特徴の「乙女椿」の花の色とも言われます。心をふんわりと包み込み明るい気持ちにさせてくれる色合いです。

鮮緑(せんりょく)
若芽のような緑に瑞々しいエネルギーが宿ります。美しくはっきりした様子を表す「あざやか」を名前に持つように、濁りがほとんどありません。同じ色相の中で最も彩度の高い色「純色(じゅんしょく)」に近い色と考えられます。

御召茶(おめしちゃ)
色名に「茶」と付きますが、実は渋く深い青緑色です。徳川家斉(いえなり)が愛用した高級縮緬(ちりめん)「お召料(めしりょう)」を略した「御召」がそのまま色名になりました。重厚感の中にも藍特有のあざやかさが漂います。

半色(はしたいろ)
明るくも渋さのある紅っぽい紫色です。濃くも薄くもない色とされ、禁色(きんじき)の「濃紫(こきむらさき)」と聴色(ゆるしいろ)の「浅紫(うすきむらさき)」の中間の色とされます。絶妙なバランスが生み出した色ですね。

江戸茶(えどちゃ)
赤みのある茶色は江戸時代前期に生まれ、流行の最先端の色として人々に愛されました。当時の遊郭の風俗を記した『色道大鏡(しきどうおおかがみ)』によると、遊廓に通う客の身だしなみとして、特に推奨されていたそうです。

灰白色(かいはくしょく)
灰色がかった少し黄みのある白色が独特の存在感を放ちます。別名「灰白(はいじろ)」ともいい、温かく柔和な印象があります。その一方で死を連想させる描写に用いられるなど、生と死の両極端なイメージを持つ不思議な色です。

桃紅色(とうこうしょく)
濃いめのピンク色は、桃色よりも紅の色みが強く出ています。ややきつめで、はっきりとした色合いは、華やかで快活な印象を見る人に与えます。凛としたその色合いは、身につける人の意志の強さを表しているようでもありますね。

裏葉色(うらばいろ)
くすみのある薄い黄緑色は、草木の葉の裏側のような白っぽい色合いです。着物を身に付ける際に、明るく濃い色と組み合わせて楽しまれるなど、平安時代から使われてきました。葉の裏側に注目した日本人の繊細な感性が現れた色です。

虹色(にじいろ)
現代の虹色と違い、伝統色の虹色は、紅と絹の質感が生み出す色彩豊かな色の輝きを表します。紅花染を施した薄い絹地は、眺める角度によって青っぽく見えたり、紫に輝いたりするなど眺める角度によって変化する美しさが魅力です。

柳緑(りゅうりょく)
色名の「緑」は、広い意味で自然全体を指しているそうです。青みが強い緑色ながらも、黄色を帯びていて少しくすんだような色合いです。草木が生い茂る春の大地を思わせるような、大自然の臨場感あふれる色に心が踊りますね。

蓬色(よもぎいろ)
古くから日本の暮らしに密接に関わってきた蓬の葉のような淡い緑色です。独特の香りが愛されるとともに、食用や薬用として大切にされてきました。人々の健康や幸せに寄り添い続けてきた蓬を思わせる色に心が癒されます。

蒼色(そうしょく)
爽やかで瑞々しい、緑の葉のような深い緑色があざやかです。色名の「蒼」は、草葉が深く生い茂る様子を表しているといい、山や野原の様子を描く際によく用いられました。日本が誇る美しい自然の風景が眼前に広がるようですね。

菜種油色(なたねあぶらいろ)
暗めのやや緑っぽい黄色で、菜種から絞った油「菜種油」に由来します。菜種油は江戸時代に灯油として普及し、電気のない時代には大変身近なものでした。江戸時代中期には武士の礼服「裃(かみしも)」の色としても流行しました。

中紅花(なかのくれない)
愛らしく明るい紅色は、紅花だけで染めています。『延喜式(えんぎしき)』に記された伝統色で、韓紅(からくれない)よりも明るい色です。濃く黄色っぽい「中紅(なかべに)」という似た名前の色は、全く別の色を指しています。

蘇芳色(すおういろ)
紫を帯びたくすんだ赤色が上品ですね。染料の蘇芳は、日本にもたらされた奈良時代には貴重なものでした。そのため、紫色に次ぐ上位の色とされていましたが、時代とともに希少性は薄れ、紅花や紫の代用品として普及したそうです。

浅青(せんせい)
濃い色ではありませんが、ほんのりとくすんでいるところに深みがあります。愛らしくさわやかな青色は、まるで陽だまりに咲くネモフィラの花の繊細な花弁のよう。じっと眺めていると、なんだか温かく優しい気持ちになってきますね。

青柳(あおやぎ)
春風に揺れ動く柳の葉のような、優しくも力強さを感じさせる色合いです。同じ「柳」を色名に持つ「柳色」と比べると、青みのある明るい緑色をしています。わずかな自然の変化も敏感に感じとる日本人ならではの観察眼に育まれた色です。

人参色(にんじんいろ)
ニンジンの根のような明るく赤みの強い橙色です。室町時代に中国から伝わり、薬として利用されていたニンジンが日常の食品になったのは最近のこと。栄養価も高く、料理に彩りを与えるニンジンは今では食卓に欠かせない食材ですね。

淡水色(うすみずいろ)
透き通った水のような、落ち着いたトーンの色合いがとても涼しげですね。藍染の中でもかなり淡く染められていて、「瓶覗(かめのぞき)」より淡く、「白藍(しらあい)」よりは少し濃い青色で、とても繊細な色の配分が魅力的です。

深川鼠(ふかがわねず)
ほのかに緑を含んだ豊かな灰色からは、そこはかとなく渋さが漂ってきます。江戸時代、華美なものを好まず「色より芸」を主張した深川の羽織芸者たち。そんな深川の芸者衆の粋な心に影響されて誕生した色と言われています。

牡丹鼠(ぼたんねず)
大胆さが特徴の「牡丹色」と落ち着いた色調の「灰色」を重ね合わせて生まれた色合いです。深く濃い紅色が穏やかながらも、渋さを感じさせます。ほんのり感じる艶っぽさとミステリアスな魅力に思わず目を奪われてしまいますね。

緋色(ひいろ/あけいろ)
赤色の中でも一際濃く、鮮烈な色が印象的です。茜と灰汁(あく)で染めており、黄色を帯びています。奈良時代の『養老律令(ようろうりつりょう)』では紫色に次ぐ上位の色とされ、身分の高い人々だけが身に付ける色でした。

黄蘗色(きはだいろ)
ミカン科の落葉高木である「黄檗」。その樹皮の内側を煎じた液を媒剤として染めることで、少し緑を帯びたあざやかな黄色に染めることができます。防虫効果があることから、黄檗で染めた写経用の紙は「黄檗紙」と呼ばれています。

躑躅色(つつじいろ)
平安時代からある色名で、ツツジの花のような濃いピンク色を指します。古代、ツツジはヤマツツジを意味し、赤のほか白、橙、紫などさまざまな色の花がありました。江戸時代になると品種改良で、多くのツツジが生まれたそうです。

牡丹色(ぼたんいろ)
牡丹の花のような、大胆で艶っぽい色合いに人々は古くから憧れを抱いてきました。通称「百花の王」とも呼ばれる牡丹は奈良時代の終わりから平安時代の初め頃に日本に伝わり、明治時代になると色名として定着したと言われています。

いかがでしたか?4月のにっぽんのいろは、新しい生活を感じさせてくれる色がたくさん。お気に入りの色を見つけられたら、「#にっぽんのいろ」の#タグをつけて、TwitterやInstagramなどで教えていただけたら嬉しいです。

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