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国民の祝日とならわし

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日本には、2024年現在計16の「国民の祝日」があります。
遊びに行く予定を立てたり用事をしたり、ご褒美のような「嬉しい休日」として過ごすことが多いですが、その趣旨や由来を知り祝日を過ごしてみるのも味わい深くいいものです。
このページでは、国民の祝日とその由来、古くからのならわしなどをご紹介します。

1. 元日(1月1日)

「年のはじめを祝う」日

元日の「元」は、はじめを意味し、年のはじめを祝う日。神社やお寺へ初詣に行ったり、おせち料理や雑煮を食べたりして、お祝いします。1月15日の「小正月」に対して「大正月」と呼ばれることも。この日の朝を、元旦・歳旦などと呼びます。「旦」の字は、朝雲や地平線・水平線から日が昇る様子を表していて、元旦とは、本来初日の出のことを指します。
戦前、この日は「四方拝(しほうはい)」といって、天皇が早朝に東西南北に向かって八百万の神々を拝み、平和と五穀豊穣を祈る儀式が行われていました。
早起きして日の出を拝む元日も、のんびり過ごす寝正月も、どちらも魅力的ですね。


2. 成人の日(1月の第2月曜日)

「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日

多くの地域では、新成人が晴れ着に身を包み「成人式」に参加します。成年のお祝いは古くからあり、男子の成人を祝うものには元服式や褌(ふんどし)祝いが、女子の成人を祝うものには裳着(もぎ)や結髪(けっぱつ)があります。
かつて1月15日の小正月に行われていた「元服の儀」の名残が、今の成人の日につながっています。昔は、小正月が本来の正月とされていて、小正月を迎えると数え歳で皆が一斉に歳をとりました。そこで元服が認められると、「元服の儀」で子どもの髪型から大人の髪型に改め、大人の服を着て、元服名を名乗るならわしがありました。
新成人お一人お一人の将来が、明るいものとなりますように。


3. 建国記念の日(2月11日)

「建国をしのび、国を愛する心を養う」日

この日は『日本書紀』で、初代天皇とされる神武天皇が大和国(現在の奈良県)の橿原宮(かしはらのみや)で即位したとされる日を太陽暦に換算したもので、明治6年から戦前までは「紀元節」といわれていました。
「建国記念の日」に「の」の字が入っているのは、実際にこの日が歴史的に建国された日ではなく、建国されたことを「記念する」日とされているからです。
今では、建国記念の日に国の行事は行われていませんが、奈良県の橿原神宮をはじめ、全国の神社では「紀元節祭」が催されているところもあります。
「建国記念の日」を機に、『古事記』や『日本書紀』を読んで建国神話を紐解いてみても楽しいかもしれません。


4. 天皇誕生日(2月23日)

「天皇の誕生日を祝う」日

この日、皇居ではいろいろな祝賀行事が行われます。祝賀の儀や宴会の儀、茶会の儀が行われ、内閣総理大臣などから祝賀をお受けになるほか、一般参賀もあり、国民から祝賀をお受けになります。
明治の時代、明治天皇の誕生日は「天長節」と呼ばれ、11月3日でした。昭和の時代の天皇誕生日は4月29日で現在の「昭和の日」にあたります。平成の時代は12月23日でした。
天皇陛下の誕生日を、皆でお祝いしましょう。


5. 春分の日(3月20日頃)

「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日

太陽が真東から昇って真西に沈み、昼が長くなり、夜の長さとほぼ等しくなります。国立天文台が毎年2月に翌年の「春分の日」を発表しています。天文学により決められる国民の休日は、世界的にも珍しいそうです。
仏教では極楽浄土は西の彼方にあると考えていたため、春分の日に太陽が真西に沈むのを見て、極楽浄土に最も近い日だと考えました。そこで、春分の日を真ん中として、前後三日ずつを合わせた七日間を春の彼岸としました。お墓参りに行き、ぼたもちをお供えして、ご先祖様の供養をする習慣があります。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、この頃から気温が上昇して暖かくなります。
春の草花もうららかな日差しに誘われて、次々に枝葉をのばして成長していきます。たんぽぽや菜の花の元気を分けてもらいに、散歩に出かけてみませんか。


6. 昭和の日(4月29日)

「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日

昭和の時代は60年あまり続き、日本をゆるがす大きな出来事がいくつも起こり、人々の生活や文化が大きく変わった、まさに激動の時代でした。
「昭和の日」は、もとは昭和天皇の「天皇誕生日」でした。崩御後、昭和天皇が自然をこよなく愛されていたことから「みどりの日」とされましたが、2007年から「みどりの日」は5月4日に移り、4月29日は「昭和の日」となりました。
お手玉にけん玉、あやとり、コマ回し。懐かしい昔遊びをしながら、過去と未来へ思いをはせてみませんか。


7. 憲法記念日(5月3日)

「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」日

これからの国の成長を願う祝日です。
日本国憲法は1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されました。憲法記念日は、これを記念して定められました。
ちなみに5月の1〜7日は「憲法週間」に定められています。全国の裁判所や法務省の機関では、関連して様々なイベントが開催され、国民主権、平和主義と基本的人権の尊重を定めた日本国憲法の意義を再確認するための催しが多く行われます。
平和な日々が続きますように。


8. みどりの日(5月4日)

「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日

「みどりの日」は、もとは4月29日でしたが、2007年から5月4日に移りました。この日を中心として、4月14日から5月14日まで「みどりの月間」とされています。
春から夏へと移り変わるこの頃、花や緑の植物たちはいきいきと輝きます。バラ、かきつばた、菖蒲、芍薬が見頃を迎え、若葉が次々と芽吹き、草木が生い茂ります。
これからも自然に感謝し、大切にしていきたいですね。


9. こどもの日(5月5日)

「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日

旧暦の5月5日が、男の子の成長を祝う「端午の節句(たんごのせっく)」であることからこの日になりました。子どもの成長を願って、鯉のぼりをあげ、柏餅や粽(ちまき)を食べて、菖蒲湯に入るならわしがあります。 
古来中国では、この日は端午節(たんごせち)と呼ばれ、菖蒲やよもぎを摘み、邪気を払っていました。
この風習が日本に伝わり、菖蒲は尚武と音が通じることから、鎌倉時代には武家の間で男子の成長を祝う行事として重んじられるようになりました。江戸時代になると、端午の節句は五節句の一つに数えられ、庶民の間でも広くお祝いされるようになりました。
こどもは、いつの間にかどんどん成長して大人になります。一緒に過ごせる毎日を大切にしていきたいですね。


10. 海の日(7月の第3月曜日 ※2020年・2021年は例外)

「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日

日本は周りを海に囲まれ、古来より海との深いつながりがあります。
祝日になる前は「海の記念日」という記念日で、7月20日でした。1876年に明治天皇が東北、北海道巡幸から灯台視察船「明治丸」で横浜に帰航された日にちなんで、7月20日に定められました。
また7月は「海の月間」でもあり、全国各地で、海に親しむためのレクリエーションなど様々なイベントが開催されています。
久しぶりに童謡「うみ」を歌ってみませんか。磯の香りが漂ってくるようですよ。


11. 山の日(8月11日 ※2020年・2021年は例外)

「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日

日本山岳会をはじめとする山岳団体により、「山の日」を祝日とするよう提唱され、祝日がなかった8月に、2016年より新たに祝日として定められました。
日本は国土の大半を山地が占める山国で、古くから山の恩恵を受けながら、生活を営んできました。山や自然の恵みが豊かである、日本ならではの祝日です。
山歩きや自然観察を通して、山とのつながりを感じてみてはいかがでしょうか。


12. 敬老の日(9月の第3月曜日)

「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」日

両親や祖父母、親しい高齢者の方々を訪問し、プレゼントを贈るなどしてお祝いします。
1954年からは「としよりの日」、1964年からは「老人の日」と呼ばれていましたが、1966年に「敬老の日」と名前が改められました。また、老人福祉法では9月15日は「老人の日」、9月の15〜21日は「老人週間」とされています。
敬老の日の由来について定説はありませんが、一つには、聖徳太子が摂津国(現・大阪府)の四天王寺に、身寄りのない老人や貧しい人、孤児を救うための施設である悲田院(ひでんいん)を設立したことによるとするものがあります。
両親や祖父母にいつもの感謝を伝える、いい日ですね。


13. 秋分の日(9月23日頃)

「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日

太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。この頃になると、夏から長く続いてきた暑さもやわらいで過ごしやすくなり、秋分の日を境に昼間が短くなっていき、秋の夜長となります。
「彼岸の中日(ちゅうにち)」でもあり、祖先を敬い、亡くなった人々をしのぶ日とされています。春のお彼岸と区別するため、秋のお彼岸を「秋彼岸」と呼びます。春のお彼岸では牡丹の花にちなみぼたもちをお供えしますが、秋彼岸では萩の花にちなみおはぎをお供えします。
秋分の頃、秋の七草が咲きそろい、彼岸花(曼珠沙華)が見頃になります。中秋の名月もこの頃です。ぜひ夜空を見上げてみてください。


14. スポーツの日(10月の第2月曜日 ※2020年・2021年は例外)

「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」日

日本全国でスポーツに関連した行事が行われています。
前身の「体育の日」は1964年の東京オリンピックの開会式の日にちなんでいます。2020年から「スポーツの日」に名称が変更され、史上初のカタカナ用語の入った祝日となりました。
また、毎年10月は「体力つくり強調月間」に定められています。
散歩やストレッチなど、軽い運動から始めてみませんか。


15. 文化の日(11月3日)

「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日

1946年の同日に日本国憲法が公布されました。日本国憲法が平和と文化を重んじていることから、これを記念して「文化の日」に。
この日を中心に文化庁主催による芸術祭が開催され、演劇や音楽、舞踊などの公演が開かれます。皇居では文化勲章の授与式が行われ、美術館や博物館では様々な文化的催しが行われます。
また、「文化の日」は10月10日とともに、全国的に晴れることの多い「晴れの特異日」としても知られています。
美術館まで足を伸ばして、展覧会を楽しむ休日にしてもいいですね。


16. 勤労感謝の日(11月23日)

「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日

この日は、今年の稲の収穫を祝い恵みに感謝し、翌年の豊穣を祈願する「新嘗祭(にいなめさい)」が古来より行われており、戦後に国民の祝日として勤労感謝の日になりました。
日本は、みずみずしい稲穂が実るという意味の「瑞穂(みずほ)の国」という美称があるように、農業が国家の重要な基盤となっていました。そのため、「新嘗祭」は特に重要視された祭事の一つでした。天照大神が行ったという神話も残っており、『万葉集』にも「新嘗祭」の様子が記されています。
今でも、伊勢神宮や出雲大社をはじめとした多くの神社では「新嘗祭」が行われています。
恵みに感謝してごはんを食べると、心なしか一層美味しく感じられます。


2020年・2021年に、海の日・山の日・スポーツの日が祝日移動となった理由

東京オリンピック競技大会のために、特例的な措置がとられたことによります。 東京中心部の混雑緩和のため、オリンピック開会式前後が4連休、オリンピック閉会式前後が3連休となるよう、海の日・山の日・スポーツの日が移動されました。


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暦生活編集部

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